食パンにマヨネーズを塗り付けて、飽きるほど食べた（第７１日）

１９××年１０月１５日（日）晴れ


■マヨネーズ付き食パン■

午前７時半、起床。チューブからマヨネーズ――　バターの代わり、それにナイフ使用も省略できる――、そのマヨネーズを片手で搾り出しながら食パンに満遍なく塗りたくる。

三、四枚、同じものを同じ工程を繰り返した後、パクつく。同じものを五枚も食べるともういい、と胃が受けない。一味だけでは味気ない、と分かっていながらも、贅沢は出来ない。

このアイディア――食パンにマヨネーズを付けて食べるということ――を得たときにはその簡便さに我ながら内心得意であった。が、何日も、何食もと同じメニューを繰り返しているといい加減飽きてきた。そう感じながらも今日もまたこれが朝食だった。やはり贅沢は出来ない。


今日は盛岡を発って、次ぎの土地へと行こう。食事をしながらも昨晩の変な、不思議な経験が何処か頭の中にこびり付いてしまい念頭を離れない。現場から早く逃れたい、早く忘れたい。

早く発ってしまえ！　
どろどろとした悪夢はすぐ忘れてしまえ！　内心の声はそう命令していた。

午前８時３５分、公園を後にした。ちょうど下の広場では運動会の準備が着々と進められていた。旅の途上での気分転換としてちょっと見物でもして行こうかとも思ったが、次ぎの地へと先を急ぐことにした。





■国道４号線を行く■

国道４号線をどこまでも南下するといった感じであった。道はそんなに急な所もなく、平坦な所ばかりだ。ペダルを踏みながら、ただ一直線道路を何処までも進んで行く。

国道「４号線」、別名国道「死号線」と言われるように交通事故が多い道路である。交通事故だけは気を付けなければならない。

正午ちょうど、花巻（ハナマキ）着いた。市街をぐるりと少々回って、３０分後には再び元の国道へと出て来る。

午後３時２０分、平泉（ヒライズミ）に着いた。国道沿い混雑していたのはここだけ。バスや乗用車、人、人と混雑がそこだけ突然沸き上がって来たみたいの様相を呈していた。何故にこんなに活気があるのか。もちろん、観光客お目当ての建物があるからだ。

さて、この辺には確か毛越寺（モウツウジ）ＹＨがある筈だと探す。平泉駅近くで、国道に沿ってもっと先へと行かなければならないとやっと分かった。

毛越寺への近道という標識があり、ジャリ道を通って行く。


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