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歩こう会の老若男女の団体に遭遇(第66日)

19××年10月10日(火)晴れ


一連のHNKラジオ語学講座を聞き終えてから起き上がる。午前8時20分だった。

本日は角館まで20kmの距離を歩いて行く積りだ。半ズボンに着替えた。午前10時半、出発。10分後、国道105号線に入る。この道路に沿って進んで行けば、今日の目的地、角館に至るのである。



午前11時25分、四ッ屋を通過する頃、反対方向から百人ぐらいの老若男女の団体がたすきを肩に掛けて歩いて来る。良く見ると「歩こう会」の人々ではないか。彼ら達を左側に見ながら通り過ぎようとすると、

「カッコイイ! さ〜すが〜!」と子供の声。

ぼくの姿を見て、思わず子供らしく賛辞を叫んだらしい。

荷物は重く、長い距離、長い時間を歩いて来たもので、その頃には別に働いていた訳でもないのに額に汗して、シャツもびっしょりという格好だった。彼ら達を見て、何が歩こう会か! という気持ちがちょっぴり胸の中に湧いてきたのは事実。歩こうかい? ぼくはもう、歩いているよ。毎日。


正午半、角館まであと7kmの所まで来る。ある商店に入るともなしに入ると、奥の方から「入って休みなさい」と女の人が勧めてくれる。それではと遠慮もせずに奥の方へと行って休ませて貰う。お茶二杯頂く。一時間そこで休ませてもらって、さて、と出発だ。



午後2時21分、角館まであと2km。バス停留所小屋で休憩していると付近の小さな女の子がやって来て、飴玉3、4個上げると手を伸ばす。消えたと思ったらまた現れて「そこで何してんのよ!?」と秋田弁なのだろうが、まるでその女の子に怒られているみたいな口吻であった。すいません。


午後4時頃、角館に着いていたのだろうか、そうであるということを示すはっきりとしたものが見当たらない。そん辺をぶらぶらと歩き回りる。

午後4時50分、角館駅に着く。小さな駅だ。その辺を色々と見て回ったが、泊れそうな場所がない。

午後6時頃、駅を出たが、寝場所がないとすると、今晩、この地では寝ないで次ぎの目的地まで歩いて行こうか。いやいや、そんなことは出来ない。とにかく何処か寝られる場所を探さなければならない。



ある高校の玄関前で寝ていたら起こされてしまい、追い出されてしまった。

国道46号線沿いの、ある自転車置場に寝る所を見付けた。
午後7時20分過ぎだった。



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