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この人は何をしている人なのだろう? そして自分は? (第70日、つづき1)
19××年10月14日(土)晴れ■暗黙の起床時間になった
「明日の朝は何時に起きますか?」
昨晩寝る前にそう聞いておくべきだった。反省している自分ではあったが、時既に遅し、朝になっているのに相変わらず起き上がろうか、それともどうしようかとまだ拘り続けていた。
午前10時頃になって再び目覚めた。隣近所の人たちは既に起きたらしく、テレビ音やら人声が壁越しに聞えて来る。すぐ隣に横たわっている人はまだぐっすりと眠りの世界にいる。いつまでもこのまま覚めることなく寝かしておいてくれよ、と教えてくれているかのようだ。
この人は一体何者だろう? この人の境遇について色々と勝手に想像、憶測していた。そっとしておいてあげよう。心ゆくまで眠っているのだから。
45分経った。張り付いてしまった寝床の呪縛から逃れるかの如く、のっそりと起き上がった。一人トイレへと立って行った。
用から帰って来るとテレビが付いていた。確か、昨夜、消した筈だったのに、と不思議がっていると、ああ、そういうことか、と得心した。
ぐっすりと眠っていたその人もやっとのことで目が覚めた。起きがって自分の布団をせっせと畳んでいる。
「今日は会社、お休みなんですか?」
「うん、午後から出ればいいんだ」
■無味乾燥な別れ
30分後、アパートの外へと連れ立つ。
「お名前と住所を教えて下さい」
「そんなものいいよ」
「そうですか」
ご好意に対する礼状を旅先から直ぐにでも出そうと思って尋ねたのだが、教えてくれない。煩わしいのか。
何もなかったのかのように別れた。何とも不思議なお付き合いであった。
つづく
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Category 第70日 盛岡
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