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警察官の登場、寝袋から顔を出すと仁王立ちしていた(第74日、つづき2)

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■警察官のご登場

最初、夢現の中で誰かに呼び続けられているかのように思えた。午後9時頃だっただろうか、うん、確かに誰かが呼び起こそうとしているらしい。まさかこの自分のことではなかろうと悠長に構え、早く終わればいいのにと思っていたのだが、どうもこの旅人を呼んでいるらしい。

 寝袋から顔をひょいと出してよくよく見ると制服を着た警察官が二人、目の前にいわば仁王立ち! 

 何事が起こったのだろうか? 

 どうしたのだろう? 

 何か事件でも起こったのか。


 どうもこの旅人が起き上がるのを待っているような雰囲気が感じ取れる。何かひどい事でもしでかしてしまったのだろうか?


 警察官は起き上がるのを辛抱強く、そして無言で強圧的に待っているようだったので、居強制されるのを嫌いながらも、自主的に納得して、渋々起き上がるしかなかった。

 「こちらに来なさい、君!」

 「何か身分証明書みたいなもの持っているかね?」

 住民票の写しを見せた。

 話しを聞いてみると、地元の警察の方に先ほど電話が入り、共同湯の所に誰か変な人が寝ている、という通報があったのだそうな。

 誰か? 

 誰かとは? 

 誰かとは、変な人とは、この旅人のことだろう。他には見当たらない。


 観念した。もうどうにでもなれ、と内心、成り行きに任せる積りであった。自分の置かれている立場を包み隠すこともなく素直に、事実を、真実をありのまま述べた。

 自転車で日本一周の一人旅をしていること、今晩の寝場所を一時的にここ、板の間にしたこと、人様(入浴客)の迷惑にならないようにと隅っこの方に場所を選んだこと、自分は怪しい者ではありません、と。


 「隣の旅館『ゆさや』が一応、この共同湯の管理者になっているから、断ってから寝なさい」

 「あっ、そうですか。分かりました」

 寝るな! と言われなかったのでちょっと安心した。

 確かに断ってはいなかった。それが拙かったと反省させられた。遅ればせながらも、断ってから寝ようと、この旅人は旅館の正面玄関入り口の方へと自転車を引っ張って行った。

 旅館の玄関前に来て見ると、警察官の方で先回りしてか、事情を説明したらしく、この旅人は別に話す必要もなかった。ただ旅館側の返事を待つだけであった。



 「あそこで寝られたら、通報電話をする人がまた出て来るだろうしねえ」
  
 「今から野宿しろと言っても寒いだろうし」
  

 結局、御主人のきっぱりとした決断で、この旅館『ゆさや』に一泊させて貰うことと相成った。

 仙台から出張でやって来た人が風呂の中で「ここ」で寝かしてもらったら、と提案してくれていたが、「ここ」とはやっぱりこの旅館のことだったらしい。紆余曲折があったが、本当にそうなってしまった。

 

 お世話になりました!
 http://www.yusaya.co.jp/takinoyu.htm


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